Matsuo Laboratory

代数マルチグリッド法を用いた高速電磁界シミュレーション

大規模電磁界解析に適した高速解法

有限要素法によって大規模な電磁界シミュレーションを行う際,膨大な数の未知数を含む連立方程式を解くことが求められます(参考)。最新の高性能計算機を使用したとしても,この求解に要する計算コストは小さくありません。

マルチグリッド法は,有限要素法で現われる連立方程式に対する高速解法として,現在最も有力視されているものの一つです。古典的な解法と比較した優位性は解析が大規模であればあるほど高く,計算時間を数十分の一以下に短縮できることも珍しくありません。ただし一般にその性能を十分に発揮するためには,扱う問題の性質・使用するメッシュの詳しい情報に加えて,マルチグリッド法の詳細について使用者が熟知していることが求められます。

マルチグリッド法の一種に,解法の詳細を熟知していない使用者にも容易に利用できることを目指した,代数マルチグリッド法と呼ばれる手法があります。本研究室では代数マルチグリッド法の電磁界シミュレーションへの応用に早くから取り組んできました。現在は,電磁界シミュレーションで広く用いられている辺要素解析に対する効果的な代数マルチグリッド法の開発を目標として研究を進めています。

2009.2.23 更新